日本の鉱物界の重鎮、掘秀道先生が年明けに永眠されました。
直接お話ししたことはありませんが、駆け出しの頃、そして独立して海外へ買い付けにいくようになってからも先生の本で勉強させてもらったり、楽しませてもらったり、励ましてもらったり、たくさんお世話になりました。
+ +
先生はたくさんの著書を残されていますが、店主のお気に入りはエッセイ集の「宮沢賢治はなぜ石が好きになったのか」です。
新宿のミネラルショーが初めて開催された30年前のエピソードを読んだら、めちゃめちゃ胸熱になりましたよ。日本のショーはヨーロッパのショーと似てると思っていたら、そういうことだったのかと!
他にも文学や美術、歴史や地政など、あらゆる角度から語られる鉱物のお話が先生の豊かな教養と軽やかな文章で綴られていて読んでてとても楽しいのです。
「水晶に始まり、水晶に終わる」
も初心者のころ、先生の本で知ったことばです。
20年たった今、やっと意味するところが解ってきたのかやたら水晶が多い(笑)自分のコレクションを眺めるたび、色々と考えてしまうのでした。
+ +
掘先生が日本の鉱物界に残した貢献は数知れず。
先生のご尽力がなければ、ミネラルショーを始め今のような多様な鉱物の楽しみ方は出来なかったかもしれません。
心からの感謝と共に、ご冥福をお祈りいたします。